― 本作の企画内容について聞いた時、どう感じましたか?
昨年、ジョン・パトリック・シャンリィの「ダウト~疑いについての寓話」という舞台を観劇し、衝撃的に面白く、記憶に残っていたので、今回、彼の脚本だということがまず嬉しかったです。
― 脚本を読んだ感想は?
ジョン・パトリック・シャンリィならではのステキな言葉で、人と人が分かり合えた時の喜びや分かり合えなかった時の悲しみが描かれていて、とても面白く読みました。登場人物たちは、みんなそれぞれ必死に、真剣に生きていますが、その姿がどこかおかしく、滑稽に見えて、それもこの作品の魅力だと感じました。
― 今回は、六篇の短編の各役を複数演じることになります。
僕は大学を卒業し、こうして俳優として活動を始めてから、同じ作品で何役も演じさせていただくのは初めてのことなので、今は楽しみな気持ちが大きいです。役者として、いろいろな役を演じられるのはすごく嬉しいことだと思います。共演者の方々がさまざまな役を演じている姿を見られることも楽しみでワクワクしています。
今回、僕は、「赤いコート」でジョン役を演じさせていただきます。濃密な2人芝居で、これまでやったことがなかった役柄なので緊張すると思いますが、素朴に、素直に演じられたらと思います。
「お月さまへようこそ」では、ある秘密を持つロニーという役を演じます。苦しみを抱えながらもどこか愛おしさを感じる役にできたらなと思っています。
― 共演者の印象は?
大空さんとは、『マーキュリー・ファー』でご一緒させていただいたので、こんなにも早くまた共演させていただけることがすごく嬉しいです。信頼できる、全てをお任せできる先輩です。『マーキュリー・ファー』では病的な母親役を演じていらして、半狂乱になるシーンの迫力が印象に残っています。歌声も素晴らしかったので、今回、「お月さまへようこそ」のアーティが歌うシーンも楽しみにしています。
他の皆さんとは共演は初めてです。僕は、2019年に出演していた「イーハトーボの劇列車」という作品に「風の又三郎らしき少年」という役で出演していたのですが、実は、その何年か前に大久保さんが同じ役を演じていらして、観劇に来てくださった際にご挨拶をさせていただいたことがあります。お芝居は初めてご一緒するのですごく楽しみです。お稽古では、皆さんに食らいつくような気持ちで、必死に、演出の石丸さんとともに作品を作り上げていけたらと思っています。
― リニューアルオープン直後のパルテノン多摩への思いは?
大きな劇場だからこそできることがあると思いますし、どのように演出してくださるのか期待が高まります。今作は、リニューアルオープン企画の中の一作ですが、こうした企画で出演させていただくのは、僕自身、初めてのことなので、記憶に残る公演になると思いますし、劇場の歴史にも残る作品になると思うので、そういう意味でも出演させていただけることはとても光栄です。
― 公演への意気込みとメッセージ。
きっと誰にでも共感できる物語になっています。ただロマンチックなだけでなく、ユーモラスなシーンもあり、どんな世代の方にも届く作品だと思います。愛することや優しい心を持つことなど、今、この世界で一番必要なことが描かれていると思いますので、ぜひ見に来ていただけたら嬉しいです。
― 本作の企画内容について聞いた時、どう感じましたか?
六篇の短編の各役を6人の役者で演じるというのは初めての体験なので、ドキドキしました。実際に脚本を読んだら、とても素敵なお話ばかりで、全てに共通するテーマがあることを感じたので、短編六篇をまとめて上演することの意味を感じました。
― 脚本を読んだ感想は?
「月明かり」や「宇宙」など美しい言葉が多く、人間同士の会話劇であってもスケールが大きい物語だと感じました。
― 今回は、六篇の短編の各役を複数演じることになります。
今回は、複数の役を演じますので、それぞれの役について、バランスよく考えておかなければいけないと思います。当たり前のことですが、きちんと読み込んでから稽古に臨みたいと思います。
「赤いコート」では、私はメアリーという16歳くらいの女の子を演じます。ピュアで、恋の芽生えを感じさせる初々しいやり取りが描かれた作品です。その瞬間にしか生まれない言葉がたくさん綴られているので、相手役の小日向さんとの空気感を大事にして演じたいです。
「お月さまへようこそ」では、シャーリー役を務めます。かつての同級生たちが何年ぶりかに集う様子を描いた作品ですが、今回の短編の中で一番クスリと笑える作品になっている、すごく好きな作品です。登場人物みんな、一生懸命、真面目に生きているのですが、なんだかちょっとズレている。でも、分かり合えた瞬間の喜びや分かり合えない悲しさが、人間の面白さに繋がっていると思います。
― 共演者の印象は?
(大空)ゆうひさんとは、3回目の共演になります。実は、今作の後にも共演する予定があるので、とてもご縁を感じています。ゆうひさんは、演じる役によってイメージがガラリと変わるので毎回、驚かされますし、尊敬する先輩です。今回もご一緒させていただけるのがすごくうれしいです。
小日向さんとは初めての共演ですが、ご出演されていた作品を観たときに、すごくエモーショナルで、内側から力を作って演じられている方だと感じました。たくさん刺激を受けると思うので、学ばせていただきたいと思っています。他の俳優さんたちとも初共演です。年齢も近いので、稽古の中でディスカッションをしたり、お芝居についてお話ができたらいいなと思っています。
― リニューアルオープン直後のパルテノン多摩への思いは?
お写真を拝見したらすごく素敵なホールだったので、今から楽しみです。濃密なお芝居も集中して観られる環境が整った劇場だと思います。リニューアルオープンという記念の機会に出演させていただけることはすごく嬉しいです。
― 公演への意気込みとメッセージ。
私にとってもチャレンジする作品になりますが、いろいろな顔をお見せできるよう、それぞれの役を作っていきたいと思います。この作品は、美しく柔らかな世界観が全体を包んでいるので、心が温まると思います。心が和む感覚を体感していただけたら嬉しいです。
― 本作の企画内容について聞いた時、どう感じましたか?
ジョン・パトリック・シャンリィの戯曲は以前に読んだことがあり、魅力的だと思っていました。ただ、今回、上演される短編6作で構成された戯曲は読んだことがなく、出演が決まって初めて読んだのですが、正直なところ、まだまだ理解できないところがたくさんあります。稽古場でどのように本作が作り上げられるのか、楽しみにしています。
― 脚本を読んだ感想は?
稽古場で、役者たちが動き出した時に見えてくるものがある作品だと思っています。
― 今回は、6篇の短編の各役を複数演じることになります。
今回のような形で複数の役を演じるのは初めてなので、それぞれの俳優たちとどのようにお芝居ができるのか楽しみにしています。今回、ビジュアル撮影では、黒のシャツ姿で撮影していただきましたが、それも“意味を持たせない”写真であることが大切だったからこその衣装だったと思います。俳優たちがいろいろな役を演じるということが一つの作品になっているのだと改めて感じました。
― 南沢さんと小日向さんとは、以前にも共演経験があると聞いています。お二人の印象は?
南沢さんは、すごく清潔感がある不思議な方です。柑橘系の果物のようなフレッシュさを持っているなと感じました(笑)。本作では、きっといろいろな表情が見られると思います。
小日向さんはすごくチャーミングで素晴らしい役者さんだと思います。前回はあまり一緒のシーンがなかったので、今回、お芝居でしっかりと絡めるのが楽しみです。
それから、久保田さんは事務所が同じなので、何度か会社でお会いして、お話ししたこともあります。その時に「お芝居が好きなんだな」と感じたので、久保田さんとお芝居ができるのも楽しみです。大久保さん、納谷さんとは初めてですが、どんなお芝居をされるのか、ワクワクしています。
― 石丸さち子さんの演出の印象は?
石丸さんとはこれまでにも何度かご一緒させていただいていますが、いつも「分からない」から始まる稽古場です。当然ながら、石丸さんの中には、その時にはすでに「理解」があり、「なぜその言葉を発するのか」という答えを迷いなく持って演出されているので、全幅の信頼を寄せてお芝居をさせていただいています。私は何もないところから稽古をスタートしますが、石丸さんの演出の中に、俳優として自分なりのものを何か持ち込めたらいいなと今は漠然と考えています。今回は、複数の役を演じるので、どの役柄から作り上げていこうかと、考えるのも楽しいです。
― リニューアルオープン直後のパルテノン多摩への思いは?
客席数も多い大きな劇場だと聞いています。出演者も少なく、会話劇である本作が、どのように受け止めてもらえるか楽しみです。
― 公演への意気込み。
今は、意気込みたくないなと思っています。柔軟に、力まずに、ただ、いつでもエンジンはかけられるような状態でいられるよう準備して、濃厚な時間を過ごせたらと思います。この作品には、「窓がたくさんあるお部屋」というイメージを私は持っています。その窓を一つずつ覗きながら「どういうお部屋にしようかな」と考えているような作品です。稽古を通し、そのお部屋の明かりを一つひとつ、丁寧につけていきたいと思っています。